ヨコハマサイトの会場のひとつ、日本郵船氷川丸「旧三等食堂」では、田村友一郎さんの《γ座》を公開しています。
《γ座》は、横浜に座する“かつて”主役として栄えた技術や建物にまつわる話を“かつて”の船舶通信技術であるモールス信号を駆使し展開したサウンド・インスタレーションです。
今から150年前の大政奉還によって日本は開港の時代へと移りました。孤立した時代から他国との接続という役割を果たした港町横浜には、開港にまつわるストーリーが多く溢れています。氷川丸もそうした意味では、日本の近代化を象徴する歴史的建造物のひとつであり、日本の歴史を語る象徴的な貨客船でもあります。
↑ 氷川丸へは山下公園先にあるゲートをくぐり乗船します。
氷川丸船内は一方通行で、「旧三等食堂」は「三等客室」手前、最終エリア側にあります。1930年造船当初からの貨客船設備を鑑賞しながら氷川丸の歴史を辿り、お進みください。
氷川丸の船内マップはこちらから。
http://www.nyk.com/rekishi/exhibitions/hikawa.html
↑ 乗船し、受付から「エントランスロビー」へ。
氷川丸の歴史がダイジェスト・ムービーで紹介されています。
↑ 「エントランスロビー」から長い廊下を進むと「一等児童室」「一等食堂」へ。
「一等食堂」では当時の先端芸術であったアール・デコの豪華なしつらえが実現されています。
↑ 階段を上り「一等読書室」「一等社交室」へ。
↑ 「展示室 シアトル航路の旅」を鑑賞し、「一等喫煙室」へと続きます。
↑ 「一等客室」「一等特別室」へ。
「一等特別室」はチャップリンや秩父宮殿下をはじめ、各国の貴賓や著名人が利用しました。
↑ デッキに出て階段を上ります。
晴れた日はとても気持ちがいいです。左手には会場の赤レンガ倉庫も見えます。
↑「操舵室」へ。「操舵室」の後部には「無線室」があります。竣工当時は海図室であったとのこと。横浜美術館西口および赤レンガ倉庫1号館1階で流れているモールスの映像は、こちらにて撮影されました。
モールス符号の原型が国際規格として承認されたのは、1868年UTI (Union Telegraphique Internationale、国際電信連合)にて。その後モールス通信は、商業通信としては 1999年2月に一斉廃止され、現在はアマチュア、漁業無線でのみ使用されています。映像で流れてくる「CQCQ」は、通信可能の範囲内にある全ての無線局を一括して呼び出す、あるいはそれらに対する通報を同時に送信するときに使用する略符号のことです。
↑ 操舵室を下り「船長室」へ。屋外デッキへと戻ります。
↑ 船尾の「オープンデッキ」は土日祝日のみオープンです。中華街方面手前にはホテルニューグランドが見えます。
↑ 屋外デッキから再び中に入り、階段を下ると「機関室」へと続きます。現役時代のままのエンジンが残されています。
「ギャレー」の奥へと進むと、左手に《γ座》会場である「旧三等食堂」入口が見えます。モールス音を頼りにお入りください。
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ヨコハマトリエンナーレ2017各会場から氷川丸へのおすすめルート
② 赤レンガ倉庫1号館から
※「ピア赤レンガ」の山下公園行き出発は10時35分から約30分間隔で出航しています。
③ 開港記念会館から
↑ 山下公園、氷川丸近くのシーバス乗り場。晴れた日はシーバスもおすすめです。
田村友一郎 《γ(ガンマ)座》
公開場所:日本郵船氷川丸「旧三等食堂」
開館時間:10:00-17:00(最終入場16:30)
月曜休(祝日の場合開館、翌平日休館)
※開館日・時間は日本郵船氷川丸に準じます。
氷川丸入場は、ヨコハマトリエンナーレ2017のチケット提示で無料です。
ヨコハマトリエンナーレ2017の主会場と休館日・閉館時間が異なるのでご注意ください。
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