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メイク・オア・ブレイク《橋を気にかける》アクション 参加者募集中!

Image courtesy Make or Break

メイク・オア・ブレイクの作品《橋を気にかける》のアクションに参加してみませんか? 

メイク・オア・ブレイクは、横浜美術館での作品展示にくわえ、調査のための滞在時に横浜で見つけた6つの橋にかかわる「アクション」への参加をみなさんに呼びかけます。

横浜市内にある6つの橋、もしくはご近所にある橋で “橋を気にかける” ためのアクションをして、「www.careforbridges.com」のWEBサイトに画像や動画を投稿してください。

 

■“橋を気にかける”アクション

ステップ1:
次の6つのアクションから、お好きなものを選んでください。橋を見つけて、現場でアクションを実施し、橋をケアしてみてください。

1)橋を観察し、そのリズムにあわせた振付を考えてみてください。身体だけでなく楽器を使ってもOK。

2)橋に行って、さまざまなものを計測したり数えたりして、あなただけの新しい物差しを考えましょう。

3)橋をケアするために、何かをしてみましょう。なでてあげたり、声をかけてあげたり……。

4)しばらく会っていない誰かと、橋で待ち合わせてみませんか。橋ほど再会に最適な場所はありません。

5)人間以外の物、動物や植物になった気分で橋を観察してみましょう。どんなものが見えるでしょうか。

6)Googleストリートビューで橋を渡り、そこで見える景色から物語を作ってみてください。

 

ステップ2:
そのアクションを撮影した画像や動画を「《橋を気にかける》www.careforbridges.com」のWEBサイトにアップしてください。

①公式ウェブサイト:www.careforbridges.comにアクセスしてプルダウンメニューのガイドにしたがって実施したアクションを登録し、画像や動画を投稿してください。

②投稿された画像や動画は、「インスタグラム@careforbridges」に公開されます。(作業はメイク・オア・ブレイクが行います)公式ウェブサイト:www.careforbridges.com

 

 

【アーティスト】

メイク・オア・ブレイク(レベッカ・ギャロ&コニー・アンテス)
コニー・アンテス(1978年-)と、レベッカ・ギャロ(1985年-)によって2015年に結成されたユニット。共にシドニー(オーストラリア)生まれ、同地を拠点に活動しています。
これまでアクションや行為を促すプロセス・ベースのプロジェクトを、プライベートな空間から公共空間までさまざまな場所で実践し、社会のなかで見えなくなっているシステムや価値を可視化してきました。
今回のヨコハマトリエンナーレでは、作品展示にくわえ、調査のための滞在時に横浜で見つけた6つの橋にかかわる「アクション」への参加をみなさんに呼びかけます。

 

■新作《橋を気にかける》について

横浜美術館の1階にある休憩ラウンジと、カフェ小倉山で新作を展示しています。

休憩ラウンジにある4点の鉄の彫刻は、横浜にある橋—太田橋、打越橋、フランス橋、末吉橋—をモティーフにしたものです。親柱、橋台、橋桁など、橋の構成要素を組み合わせてひとつのかたちになるよう、デザインされています。来場者は、スプレーボトルに入っている横浜港の海水をこれらの彫刻に拭きかけることができるようになっています。またそれぞれの橋の横には、物語や詩、橋の説明やアクションへの指示が記された紙が積み上げられており、その上には、橋の彫刻を制作する際にできた端材が吊り下げられています。環境問題やこれまでの作品を鑑みるメイク・オア・ブレイクは、こうした意識を明示するために、しばしば廃材を用いているのです。さらに部屋のなかには、横浜とシドニーで採録された音が流れています。

カフェ小倉山では、トレイマットに、メイク・オア・ブレイク自身による物語が書かれています。

 

(上左)メイク・オア・ブレイク (レベッカ・ギャロ&コニー・アンテス)《橋を気にかける》2020年 撮影:加藤健
(上右)展示風景 撮影:加藤甫
(下)アクションの指示が記されたチラシ

 

■アーティストからのメッセージ
 
ケアする行為は、修復や保護とともに、

ときに腐食、減衰、破壊をももたらし、

物の質を奪い去る。
 
これは、わたしたちが物に対して(生き物や人々も同じです)何かケアをすると、意図しなくとも避けられない副作用があるということです。大好きなブランケットを洗うことは、きれいにするだけでなく、その物の寿命を縮めることにもなります。ブランケットから物質を奪い去るからです。仏像のお腹を擦る(あるいはきれいにしようとする)と表面は磨かれますが、劣化を早めることにもなります。そのどちらがよいとも悪いともいえません。物事はこうやってバランスをとろうとしているのでしょう。全てのアクション(行い)は、それと反対のアクションによって均衡が保たれています。この反対のアクションはたいてい目に見えず、考えられることもありません。わたしたちはこうした反対のアクションについて、とくにケアするという文脈で、みなさんに意識していただきたいと思っています。
 
 
塩水のボトルを取れ、そして

鉄橋に吹きかけろ。
 
来場者にスプレーボトルで橋の彫刻に吹きかけてもらうことで、彫刻を蝕み、朽ちさせることに参加していただくよう問いかけています。スプレーボトルの塩水にはごく少量の横浜の海水が含まれており、時間をかけてゆっくりと鉄の彫刻を腐食させていきます。この彫刻は日本にしかないSPCC鋼でできており、保護膜が施されていないため、時が経つと錆びるようになっています。
 
 
ある物が美術館でケアされるとき、

近づく道が保たれつつも、特権化され、

接触からは遠ざけられ、

その物は生きるのを止め、

違った形で価値づけられる。
 
美術館は文化と物を保存する場所です。しかし物は、美術館に収蔵された突端、自分が見たい時に見られなくなります。触ることもできず、手に取ったり遊んだりすることもできなくなるのです。入場料が要るなら、それを見ることができる人は制限されます。また収蔵庫にしまわれると長時間人の目に触れなくなります。物が美術館に収蔵され、使われなくなると、その意味がどう変わるのかを考えてみてください。陶器のお椀や盃は、その“価値”を見出され、美術館の収蔵品に加わるまでは、年代物でも毎日使われていたのに、親しみやすいものではなくなり、代わりに、崇拝され、距離をとられるようになります。崇拝の対象になると権力を得る一方、わたしたちとの関係は変わってしまいます。美術館の中にある物、美術館の外にある物とわたしたちとの関係について考えてもらえればと思います。
 
 
世界へと出て行け、そして世界と共にあれ、

崩れながら、耐えながら。
 
これはアクションへの呼びかけです。来場者に、指示書の青い面に書いてある物語を読んでもらい、白い面に書かれているアクションをご自身の家の近所で試していただくようお願いしています。それによって、世界における自分の身の置き方や世界をどう気にかけるか(ケアするか)について、いろいろな方法を見つけてください。新型コロナウィルス感染拡大のさなか、ウィルスを運ぶ可能性がある物やその表面に対するわたしたちの恐怖は増しています。ですがそれと同時に、人々はずっと家の中にいて、世界にもっと触れたいとに願っているのです。世界はわたしたちに触れたいと思っているでしょうか。ある意味、このプロジェクトは人々が、小さな規模で、ゆっくり、考えを巡らせながら、注意深く、世界とふたたびつながる方法を提案しているのです。
 
 

【FAQ】

Q: なぜ、橋なのですか?

A: メイク・オア・ブレイクが橋を選んだのは、それがさまざまなレベルでのメタファー、象徴となるからです。橋は、何かになろうとする状態や、何かと何かの間にあることを意味しています。つまり、橋の上にいる時は、どこかの場所にいることにはならないのです。はっきりこうと決められないゆえ、その不確実さが、ある種の開放性にもなっています。なんでもできるというわけです。橋はまた接点であり、人々やアイデアをつなぐためのメタファーでもあります。今年2月、メイク・オア・ブレイクが横浜に滞在していた時、日本語が話せないため、人とつながるのに普段とは異なるさまざまな方法を見つけねばなりませんでした。橋は、多様な文化やアイデアが出会う場の象徴であり、この世とあの世、生と死をつなぐシンボルでもあります。また、横浜美術館が建つ土地がかつては水の底であったことを考えさせるかもしれません。

 

Q: なぜ、橋を錆びさせるのですか?

A: ケアすることと壊すことは、ここでは積極的な意味で対立しています。私たちが物を(生き物や人々も)気にかけてすることには、意図せずとも避けられない副作用があることを教えてくれます。美術館は物が朽ちることから守る場所ですが、わたしたちは来場者に、彫刻の劣化を早めることに参画していただくようにお願いすることで、それに挑戦しています。彫刻が変化し、進化し続けるときは生き生きとし、わたしたちと会話をしています。止まってはいません。より早く朽ちたとしても、こうした相互作用を引き起こし、それに反応して変貌するさまを見るのは意味があるでしょう。

 

Q: 展示室においてあるスプレーボトルには何が入っているのですか?

A: 世界をかけ巡り、横浜の川や水路を通ってきた水です。海藻やボートの底、鯨のヒレ、魚のうろこ、コンクリートの柱、砂の積もった海底に触れてきました。また、生きる力をもたらすとともに蝕むという性質を持ちます。そして殺菌作用がありながら、微量の汚染物質を含んでもいます。