開催概要

組織委員会会長ごあいさつ

横浜トリエンナーレ組織委員会会長 横浜市長 林 文子

ヨコハマトリエンナーレ2011がいよいよ開幕します。
3月11日の東日本大震災以降、ここに至るまで実に多くの方々に後押しをいただきました。とりわけ海外はじめ、参加アーティストの皆様から、来日しよう、トリエンナーレを実現しようという心強いメッセージを頂戴いたしました。日本を元気にしたい、という皆様の思いに私は大変感激しています。
また、トリエンナーレは4回目になりますが、今回、文化庁の「国際芸術フェスティバル支援事業」に位置づけられ、ナショナルプロジェクトとしてのトリエンナーレの歴史を引き継ぐことができました。
その他にも様々な形で多くの方々にご支援・ご協力いただいております。皆様に深く感謝申し上げますとともに、開催中も引き続きよろしくお願いいたします。
今回のトリエンナーレの特色を、一部ご紹介します。 展覧会コンセプトは「OUR MAGIC HOURー世界はどこまで知ることができるか?ー 」、そのメイン会場のひとつは横浜美術館です。19世紀後半からの豊富なコレクション、写真発祥の地ならではの貴重な写真コレクションを持っています。かねてより、横浜を代表する芸術の拠点である横浜美術館をトリエンナーレで使いたいと思っており、今回それが実現いたしました。
また、現代アートの拠点、BankART Studio NYKとして親しまれている日本郵船海岸通倉庫は、まさに港町横浜ならではの、歴史が香る建築物です。これら特長ある空間に現代アートが並ぶことに、私自身、大変期待をしています。
もう一つの大きな特色は、まちなかへの展開です。創造都市・横浜は、文化・芸術の力で、歴史的建築物などを活用するまちづくりを進めてきました。トリエンナーレの期間中は、横浜に集まるアーティストの協力を得て、まち中が様々なアートやプログラムで彩られることになります。
今回のトリエンナーレは、横浜のみどころ満載の観光プロモーション「OPEN YOKOHAMA 2011」と同時開催で行われます。この時期、横浜のまちを挙げて、世界中からお越しの皆様をおもてなしいたします。
横浜が、世界の不思議を覗く窓になる3か月間、心躍るような魔法のひとときをお過ごしください。

横浜トリエンナーレ組織委員会会長
横浜市長
林 文子

総合ディレクターごあいさつ

ヨコハマトリエンナーレ2011 総合ディレクター 逢坂 恵理子撮影:鈴木理策

いよいよヨコハマトリエンナーレ2011「OUR MAGIC HOURー世界はどこまで知ることができるか?ー」が開幕の運びとなりました。
横浜トリエンナーレの運営母体が国際交流基金から横浜市に移り、横浜美術館が初めて主会場のひとつになるなど、第4回目の今回は、ソフト、ハードの両面で過去3回とは大きく異なるターニング・ポイントといえます。
また、1859年の横浜港開港以来、日本の近代化とともに歩んできた横浜で、現代社会や人間存在を照射する現代美術の祭典を実施することは、新しい思考や表現の享受、人々の交流、異文化や多様な価値観の受容という観点からも、ふさわしいと考えます。

今回は「みる、そだてる、つなげる」をヨコハマトリエンナーレ2011の方針として、現代美術のもつ多様な可能性を広く伝える試みを実施します。
主会場となる横浜美術館と日本郵船海岸通倉庫(BankART Studio NYK)、他会場のひとつとなるヨコハマ創造都市センター(YCC)では異なる空間の特徴を生かした展示によって、作品を「みる」経験を深化させ、想像力を駆使しながら時空間を逍遥し読み解く醍醐味を味わっていただけるでしょう。また「そだてる」一環として、子どもたちにとって実のある体験となる、ジュニア・プログラムや、美術界外からも応援をいただく特別サポーター・プログラムも用意しています。
そして、主会場と多様な企画やジャンルを「つなぐ」ことも今回の新しい試みです。特徴ある活動を継続しているNPOや文化施設、大学との連携により、美術のみならず音楽、演劇、映画、古典芸能などのプログラムも数多く用意して、ヨコハマトリエンナーレ2011を楽しむ回路を広げました。特別連携プログラム「BankART Life III」や「黄金町バザール2011」の会場も観覧できるセット券を準備し、利便性を図りました。

東日本大震災から5か月を経た現在、困難を乗り越え少しずつ前進しようとする状況を、ささやかではありますが、私たちはアートによって後押ししたいと考えます。参加することが募金につながる作品や、被災地を知るトークも準備しました。
現代美術が示す、世界を複眼的に見る力や世界を知ろうとする読解力が、マジックのように複雑で険しい道筋への一条の光となることを願っています。

ヨコハマトリエンナーレ2011
総合ディレクター
逢坂 恵理子
ヨコハマトリエンナーレ2011総合ディレクター、横浜美術館館長
国際交流基金、ICA名古屋で、多くの現代美術の国際展にかかわり、水戸芸術館美術センター(1994-2006年、1994年より主任学芸員、1997年より芸術監督)、森美術館アーティスティック・ディレクター(2007- 2009年)を経て、2009年4月より現職。第49回ヴェネチア・ビエンナーレ日本館コミッショナー(2001年)など、豊富な経験を持つ。学習院大学文学部哲学科卒業、芸術学専攻。

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