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2014.11.26

ヨコハマトリエンナーレ2014 閉幕のご挨拶
(アーティスティック・ディレクター 森村泰昌)

 11月3日、無事、ヨコハマトリエンナーレ2014が終幕した。最終日、黄金町では高山明の「横浜コミューン」が、新港ピアではやなぎみわの移動舞台車のファイナルトランスフォームがあった。そして横浜美術館前のグランモール公園では、消滅のためのラストショー「Moe Nai Ko To Baを燃やす」が上演され、1300人を超える皆様に御覧いただけた。

 会期を通して来場した人数は延べ約21万4000人。これだけの大勢の方々が展覧会に足を運んでくださったことにまず感謝の意を述べたい。会期の後半にはチケット売り場に行列が出来、場内もごったがえしたが、運営側が懸念していたようなトラブルはほとんどなかった。今回のヨコハマトリエンナーレには、数々の展示作品を通じて、私たちの社会、生活、生き方を考える手がかりが探れたらという、我々の提案があり、それが、真摯に作品と向き合うという来場者の態度につながったのではないかとも思う。その意味においても、大きなトラブルがなかったことは、嬉しい結果である。

 国立西洋美術館の馬渕明子館長も、某新聞紙上でヨコハマトリエンナーレ2014に言及しつつ述べられたように、美術は「きれいなもの」「楽しいもの」「心安らぐもの」だけで成り立っているわけではない。このことが、来場していただいた皆様にも、少なからず伝わったのではないだろうか。

 「忘却の海」へと向った長い船旅であったが、なんとかこの旅を終えることができた。ヨコハマトリエンナーレ2014に大きなお力添えをいただいたすべての皆様に、この場を借りて深く御礼申し上げます。

 ありがとうございました。

ヨコハマトリエンナーレ2014
アーティスティック・ディレクター
森村泰昌

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